大阪・神戸 住まいの相談 一級建築士事務所 伊藤建築コンサルタント

地産地消と生物多様性

日本の山林の現状

悪い山写真現在、日本国土の約7割を占めている森林は、その資源の多さにもかかわらず、外国産材に押されて国産材の自給率は約2割程度と低迷しています。また、林業者の後継者問題の影響も加わって、森林は放置され、荒廃しています。
しかし、植林された杉などの樹木は、現在40年~50年生となり、材木としての価値が得られる時期となっており、木造住宅の多い日本では、その活用が求められています。
また、日本が京都議定書の温暖化ガス6%削減の目標のうち、3.8%を森林で賄うと合意しており、環境問題対策のひとつとして森林に対する期待が大きくなっています。
一方で、林業者や工務店、設計事務所などが主体となり、材木の流通ルートを簡素化し、流通に関わった人の顔がすべて見える状態で、品質の良い材木を低価格で消費者に提供する仕組みづくりをすることで、地元産材の需要を伸ばす取組みも、日本各地で行われています。このような取組みは、当初、地元産材を地元で消費する地産地消というキーワードで進められていましたが、地元だけでは材木が賄いきれないこともあり、近年は、国産材利用に目が向けられているため国産国消ともいえます。

地産地消・生物多様性への取組み方法

山の見学会私たちは、数年前に顔の見える家づくりというコンセプトで、エコキンキという組織を立ち上げました。エコキンキのメンバーは、林業者、製材所、工務店、設計事務所等で、家を建てる計画を持っている消費者を、山に案内し、立木の伐採、製材などを見てもらい、 林業者や製材所が、どのような思いで仕事をしているかを伝えるとともに、手入れをしている山と、何も手が入れられていない山の違いを目で見てもらうことで、間伐の必要性を認識してもらい、地元産材を利用した、木の家づくりの必要性を感じ取っていただいています。
また、平成19年、平成20年に、山の見学会バスツアーを実施し、森林のもつ機能と、その保全活動の必要性、重要性を、肌で感じとっていただいています。